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不思議な力
店長情報 › 不思議な力 › 宇宙は一人ニ

2016年03月23日

宇宙は一人ニ

宇宙は小さく呟き、携帯を閉じた。それから、両手を上に伸ばして「うおー」と軽く伸びをすると、バタンとベッドに横になった。
今朝早く田舎の実家を発ち、電車を乗り継いで東京にやってきた。明日から早速、大学のオリエンテーションが始まる。必死の受験勉強の末に合格した希望大学の靜脈曲張手術希望学部。しっかり頑張ろうと胸を膨らます。
ベッドから見上げる天井は、少し高めでスクリーンのように真っ白だ。そこに、明日から嬉々として大学に向かう自分のイメージ映像を流す。華麗にプレゼンテーションを行い、成績には‘A’がずらりと並ぶ。そのセルフイメージに、宇宙は一人ニヤニヤした。

そのニヤけたままの口元から、よだれが垂れているのに気付き、半開きの口のまま慌ててベッドから体を起こしたときには、もうすっかり日が暮れていた。
「寝ちゃった」
二階の紅の部屋から、一階のキッチンに降りる。いまだに人は見当たらない。けれども、玄関もキッチンも、一階のスペースのほとんどに明かりがついているから、誰か帰ってきているのだろう。
宇宙は、初めてシェアメイトと顔を合わせるときの迪士尼美語 好唔好自己紹介を頭の中でシュミレーションしながらキッチンに入り、冷蔵庫を開けた。

「無いし」
大きな冷蔵庫のすぐ横にあるごみ箱に、ケンタッキーの赤い箱がしっかりと捨てられていた。昼に買ったフライドチキンの残りを、電子レンジで暖めて食べようとしたのに。
箱に自分の名まえを書くのを忘れていた。大家さんからもらったメールに明示してあったのを今頃思い出す。
「名まえの無いもの、それはみんなのもの」

宇宙はごみ箱に面と向かい、頭を三十度ほど傅(かしず)くと神妙な態度で目を伏せた。こうしてこの新参者の青年は、シェアハウスからの教育を受けたのだった。
「ヘイ、ニーちゃん、なに探してるの?」
「いや、見つけた。もういいです」
思わず答えて振り返ると、キッチンの入り口に、国籍不明のHKUE 認可性男の人が立っていた。肌の色が浅黒く、目の大きなアジア系の外人だ。シェアメイトの一人か。


Posted by 不思議な力 at 13:12│Comments(0)
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